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CLASSE DELTA SERIES

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高出力のパワーアンプを作るのは、それほど難しい要求ではありません。大きさや放熱の問題を考慮しさえすれば、たいていの場合、手ごろな価格で用意することができます。では、そのようなアンプの中で、より良い音とされるアンプがあるのは何故でしょうか。その答えは、パワーをどれだけコントロールしているか。そして、設計者が選択した回路がアンプの性能をどれだけ引き出しているかにあります。

トランジスター設計

通常、アンプの設計者は好みとするデバイス(バイポーラ Tr、MOS FET、J-FETなど)を選択し、それらの長所、短所を踏まえて設計します。これはごく自然な方法といえるもので、ひとつのデバイスについて知ることは、他のすべてのデバイスについて知ることよりも、設計者にとってはるかに容易だからです。しかし、クラッセの設計チームは多品種のデバイスを長年にわたって使いこなし、主要なデバイスについてはそのすべてを知り尽くしています。こうした豊富な知識は、より創造的なアンプ設計を可能にするもので、クラッセのアンプには、各段の増幅に最大限のアドバンテージをもたらすデバイスが使用されています。また、クラッセのアンプは高い性能を一貫して発揮できるよう、基本設計、回路基板はモデル共通となっており、同一のアンプモジュールを異なるモデルで共用している場合もあります。
J-FETは入力段に使われています。高い入力インピーダンスと低いオフセット電流を特長としており、ケーブルインピーダンスの影響を排除した低ノイズ・高利得の増幅を可能にしています。さらに、音質を低下させる入力カップリングコンデンサーを必要としないのも、J-FETならではの特長となっています。MOS FETはJ-FETと同様の電圧制御デバイスでドライバー段に使用。出力段で要求される電流出力に見合う電圧利得をここで確保しています。出力段にはバイポーラTrを使用しています。バイポーラTrは十分な電流供給が得られるとき、きわめて優れた高電流特性を発揮するデバイスであり、他のデバイスと比較して良好な低域再生特性を備え、安定性も高いのが特長です。クラッセのアンプは、各デバイスが備えるそれぞれの利点を活かすと同時に、トータルにバランスのとれたさまざまな設計を採用しています。


クラスA動作

クラッセのパワーアンプは発熱を少なくするため、 DCバイアスは比較的低いレベルにアイドリング設定しています。バイアスは、負荷に対する出力が上がるにつれて増加し、トータル出力レベルの1/3にまで上昇するように設計されています。たとえば、クラッセの100W(8Ω)アンプの場合、約30WまでクラスA動作をするため、クラスAB動作のアンプに見られるようなスイッチングひずみの発生を低減しています。


電源供給

電源部には、ノイズの発生が少なく、高い電力供給能力をもつカスタム設計の高効率トロイダルトランスを使用しています。併せて、大型のサージ抵抗を直列接続し、電源投入時の危険なラッシュカレントを防止しています。また、トロイダルトランスにはチャンネルごとに独立した 2次巻き線が装備されています。大型トロイダルコアならではの強靱な電力供給能力を活かしながら、チャンネルセパレーション特性を高めています。電源部の平滑回路は、クラッセのアンプならではの際立った個所となっています。電源リップルの発生が少ない、小型から中型までの電解コンデンサーを多用した大規模な平滑フィルター・コンデンサー群がそれで、アンプ回路が必要とする電力を瞬時に供給。高性能なパワーアンプであればこそ望まれる、スピードと大容量を両立させています。


回路管理

信頼性を保ちながら高音質のアンプを作ることは、多くの設計者にとって悩ましいテーマです。クラッセの設計チームは新しい技術開発により、アンプの性能を落とさず信頼性を維持する各種の設計を施しています。たとえば、しばしば音を鈍重に劣化させてしまう内部ヒューズをなくすこと。スピーカーにとって危険な DCドリフト、これを防ぐための出力カップリングコンデンサーをなくすこと。このために、オーディオ信号の経路には一切影響を与えない、電源部から独立したコントロール回路が設けられています。
アンプには短時間に大きな電流量が求められる場合があります。それが、再生時における一時的なものか、スピーカーケーブルのショート事故によるものか。これを検知することは、アンプを最良の状態で動作させ、アンプを危険な状態から保護するうえで重要です。ホール効果リングはこのためのもので、スピーカーへの出力電流をモニターしています。なお、このホール効果リングは出力電流ラインを取り囲むように配置されており、オーディオ信号と直接関係することはありません。一方、出力電圧はデジタル処理により数値化され、その値は常時モニターされています。アンプがオーディオ信号の要求によって動作しているのか、スピーカーケーブルのショートなどの誤った状態によって動作しているのかを、的確に判断するようになっています。
音質劣化の一因であり、そのまま放置すればスピーカーを破損させることにもなる直流電圧。これを補正するために、DCサーボが設けられています。また、アンプ内にはヒートシンク上のものを含めて複数の温度センサーが設けられており、アンプの動作温度をチェック。もし、危険な状態にあるときには自動的に電源を切ります。AC入力についても、アンプが通常の動作状態を維持するよう周波数、位相、グラウンド状態がモニターされています。
このように、アンプを理想的な動作状態におき、なおかつ安心してお使いいただけるよう、クラッセの設計チームは多くのシステムを開発・搭載しています。その根底にあるものは、“アンプはつねに最良の状態におかれること。さもなくば、アンプの電源は切られるべきだ”という単純な考え方です。


メカニカル設計

高性能なオーディオシステムでは、トランスや回路基板をマウントするシャーシを含めたすべてが重要になってきます。オーディオシステム自身から発生する振動は、マイクロホニック雑音となって、音の透明度、解像度を低下させます。アンプシャーシは、鋼材とアルミ材で作られています。フロントパネルはアルミの引き抜き材で、両側のコーナー部分を大きく湾曲させた形状としています。脚部には「ナブコム・リムセーバー」(ライフル銃の肩受け用パッドなどに使われている振動吸収材)を使用。重量のあるパワーアンプに適した硬度、剛性が考慮されており、外部振動の影響を低減します。メカニカルシステム全般としては、シャーシは強度、安定性を高めた低振動設計としています。


バランスとシングルエンド

バランス( XLR)とシングルエンド(RCA)の両入力端子を装備しています。フロントパネルのLEDインジケーターは、現在動作しているチャンネル数を表示するとともに、バランスとシングルエンドのどちらの入力モードにあるかを表示します。また、クラッセのパワーアンプは、バランスとシングルエンドの2つの入力を同時に接続できます。たとえば、バランス入力にプリアンプを接続しながら、シングルエンド入力にはサラウンドプロセッサーを接続しておくことが可能。どちらの入力にするかは、フロントパネルのスイッチ、さらにRS-232Cリモートでも選択できます。


外部コントロール

操作系のコントロール回路はもちろん、モニター回路、プロテクション回路は、デジタル制御されています。これらはアナログ信号を扱うオーディオ回路と独立しており、制御用のトランス/電源回路が別に設けられています。また、すべてのコントロールは赤外線ワイヤレスリモコン、さらに RS-232Cポートを通して行うことができ、オペレート/スタンバイ、ミュート・オン/オフ、およびチャンネル入力切り替え(RS-232Cでのみ可能)のリモート操作が行えます。このほか、DCトリガー入力も装備しており、他のコンポーネントと連動してパワーアンプのオペレート/スタンバイが行えます。


価値

“大事なのは、何をしたかではなく、何を手にしたかだ”という、よく耳にする言葉があります。クラッセが新しい世代のアンプを設計するにあたり、この言はまさに的を射たもので、より多くのことに取り組むほどに、より良い成果、より高い価値を身につけることになりました。二十年以上にわたるアンプ設計の誉れ高いオーディオブランドとして、クラッセは最先端のエレクトロニクスを駆使した「デルタシリーズ」とともに、いままた、パワーアンプの新たな指標を築き上げられたことを大きな喜びとしています。


主な仕様


入力感度
1.0Vrms(バランス入力)
全高調波歪率 0.002%(無負荷時)/0.003%(8Ω)/0.005%(4Ω)
S/N比 105db
入力 アンバランス1系統/バランス1系統
スピーカー出力 L/Rそれぞれ2組
最大出力 100W×2(8Ω)/200W×2(4Ω)
消費電力 260W(定格)
寸方/重量 445(W)×419(D)×121(H)mm/23kg
標準価格 ¥630,000(税込)


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